素晴らしい本「素直な心になるために」

 私がすごく感銘を受けた本に、「素直な心になるために」(松下幸之助著,PHP研究所)があります。

 1976年に発刊された本ですが、丁寧に、わかりやすく、語りかけるように書かれています。今から40年以上も前になるのですが、今読んでも決して色褪せたものではありません。

 その中の一節に、素直な心がない場合の弊害として、「衆知があつまらない」というのがあります。

 素直な心がないと、「自分の考え、行動は絶対に正しい。だから他人の助言を聞く必要はない」というように、人の言葉に耳を傾けないということになる。そうすると、自分自身が物事に失敗しやすくなる。所詮、一人の知恵や知識には限界があるのだから...と語られています。

 また、お互いの和を損なってしまい、段々と人が助言をしたり教えたりしなくなってくるというのです。

 私、人生を振り帰ってみると、実にその通りだと思うのです。

 以前の私の職場にも、自信過剰で他人の意見を聞かない人がいました。かなり周りの人に迷惑をかけていた存在だったのですが、私を含め周りの人間はそれなりに人生経験を積んだ人たちだったから、表面上はお付き合いしていました。でも、皆、「もっとこうすればいいのに」とか、「こういう良い情報があるよ」っていう、手助けや助言などは無かったように思います。

 ですから、そのような態度では個人や家族レベルでは成り立つのかも知れませんが、会社やサークルなど、ある目的を持っている集団であれば、まさに、「衆知があつまらず、成功はおぼつかない」と思うのです。

 一人の知恵や知識は大したものではありません。ですが、一人ひとりがそれを出しあえば難しい課題も克服し、大きな事が成し得るはずです。

 

 この本の一節は深く私の心に刻まれています。

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